賃貸住まいの基礎知識を身につけよう!
賃貸住宅市場は、人の移動、転出入の動向に密接に関わり合っています。
1年を通して、人の移動が最も多くなる時期は、周知のとおり年度末(3月)頃です。
これは、転勤、就職、進学などの節目の時期と重なるのが大きな原因です。
この時期に合わせて、賃貸住宅市場も一番活発になるのも全国共通と言えるでしょう。
そう考えると、1年の間に活発になる繁忙期もあれば、閑散期とは言わないまでも、
比較的落ち着いた時期があるのも当然です。
では、「借り時」という点において考えてみましょう。
一般的には1年を通して賃貸住宅市場が活発になるのは年度末、
次に秋口に入る9月頃になります。
この時期は、人の移動に合わせて賃貸住宅物件の入退去も増えます。
つまり、
退去する ⇒ 空室が出るため募集住戸が増える
入居する ⇒ 入居希望者が次々に現れるため募集住戸がすぐに無くなる
という繰り返しになります。
そうなると、賃貸物件を斡旋する不動産会社や管理会社などは、
事務手続きや入居希望者の対応に追われ、大忙しです。
もし、この時期に住まい探しを行うのであれば、それなりに募集住戸が充実している反面、
他の入居希望者も数多くいるため、十分に検討する時間が取れぬままに決断しなければならなくなります。
また、不動産会社でもお客さん一人に対して、親身に時間をかけて相談に応じてくれることもできないため、
条件交渉なども難しくなることでしょう。
逆に、これら時期を外すと、比較的市場自体も落ち着きを取り戻します。
繁忙期を避けて住まい探しを行うメリットは、比較的「競争原理」に左右されずに、
検討することができ、場合によっては条件交渉などにも応じてくれる可能性も高くなります。
しかし、募集住戸の数から言えば、繁忙期に比べるとそれ程多くはありません。
特に、人気の高い物件や新築物件などの募集住戸は、なかなかお目見え出来ないかもしれません。
以下に、年間の賃貸住宅市場の動向を傾向としてまとめましたので参考にしてください。
賃貸住宅市場の繁忙期と閑散期 | ||||
---|---|---|---|---|
時期 | 募集住戸 | 入居希望者 | 不動産会社 | 競争度 |
1月下旬~2月 | 増える | 増える | 忙しい | 強い |
3月~4月上旬 | 一進一退 | ピークになる | 忙しさピーク | 最強 |
5月~7月 | 減る | 減る | 通常 | 弱い |
8月 | 少し増える | 少し増える | 通常 | やや強い |
9月~10月 | 一進一退 | 増える | 忙しい | 強い |
1月下旬~2月 | 減る | 減る | 通常 | 弱い |