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アパート経営の基礎知識を解説!
初心者必見!

  • 更新日:2024.10.09
アパート経営の基礎知識を解説!初心者必見!

アパート経営は土地活用方法の代表例で、余っている土地を所有している方ならば誰しも第一に思いつく方法ではないでしょうか。

アパート経営が軌道に乗れば、継続した安定収入を得ることができますし、固定資産税や相続税の節税対策としても有効です。

この記事では、アパート経営を検討されている方のために、次のような基礎知識を解説しています。

  • アパート経営の特徴

  • アパート経営をするメリット
  • アパート経営をする際のリスクと対応策
  • アパート経営に必要な費用と資金
  • アパート経営で後悔しないための事前準備
  • アパート経営に必要な税金の基礎知識

この記事を足掛かりに、アパート経営についてより深く勉強して、アパート経営に乗り出してください。

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アパート経営とはどんなもの?特徴を解説

アパート経営は、土地の活用方法、不動産投資の一種です。
空いている土地にアパートを建てて、入居者を募集し、応募してきた入居者との間で賃貸借契約を締結して、家賃収入を得るというものです。

一旦、アパートを建ててしまえば、オーナーがやるべきことは、入居者の募集、家賃の徴収、建物の管理ぐらいです。

アパート経営の知識があれば、自主管理することもできますし、本業が忙しく、アパート経営に構っていられなければ、管理会社に委託することもできます。

マンション経営とはどのような点が違う?

アパート経営とマンション経営は似ているので混同されがちですが、微妙に異なります。

まず、マンション経営は1棟経営の場合もありますが、不動産会社が建築して運営するケースがほとんどです。

立地条件が良く、鉄筋コンクリート造等の耐用年数の高い建物がほとんどなので、資産価値が下がりにくいです。入居者も集まりやすいので、1棟経営なら空室リスクも低いと言えます。

ただ、個人の方がマンション経営をする場合は、マンションの1室、数室のみを経営するパターンが多いです。

マンションの1室、数室のみを購入するなら初期費用は少なくて済みますが、その分、収入は少ないです。また、1室のみだと空室になると賃料収入が0円になってしまい、オーナーが管理費などをすべて負担しなければならなくなるので、その意味で空室リスクが高くなります。

アパート経営は、個人でも、1棟経営が基本です。土地もオーナー自身が所有するのが一般的なので、土地も資産になります。

アパート建築から始める場合は、多額の初期投資が必要になるので、入居者が当初の計画通りに集まらない場合は、大赤字になってしまうリスクがあります。

一方で、アパートの全室が埋まれば、大きな収入を得られますし、いくつか空室があっても、賃料収入が0円と言うことはなく、安定した収入を得やすいです。

不動産投資に興味を持った場合、マンション1室からスタートし、アパート経営にステップアップする方も多いです。

どんな人が向いている?

アパート経営で成功するための第一歩は条件の良い土地を確保することです。
例えば、

  • 駅から徒歩10分内の土地である。
  • 周辺に商業施設や病院、学校などの施設がそろっている。
  • 閑静な住宅街に近い土地である。
  • 周辺にマンションなどが建っておらず日当たりがよい。
  • アパートを建てるのに十分な広さがある。(最低で60坪)

こうした条件を満たした土地を確保できれば、アパート経営は成功しやすくなりますが、このような条件のよい土地を持っている人は、なかなか土地を売りません。

そのため、こうした土地を最初から所有している方がアパート経営に向いていることになります。

性格的な面では、キャピタルゲインやハイリスクハイリターンを狙うよりも、インカムゲインや安定収入を確保したい方に向いています。

アパート経営をするメリット

アパート経営の第一のメリットは安定収入を得られることですが、それ以外にも様々なメリットがあります。

長期的に安定した不労所得が期待できる

不動産投資はどのような形であれ、賃料収入などの安定収入を得ることが狙いの投資ですが、アパート経営は、1棟経営のため、空室リスクを抑えられる点で、より安定性の高い投資と言えます。

さらに、賃貸管理業務を管理会社に委託してしまえば、オーナー自身がやるべきことはほとんどなく、何もしなくても、毎月、賃料収入を得られます。
つまり、長期的に安定した不労所得を期待できるのがアパート経営になります。

生命保険の代わりになる

アパートローンを組むためには、オーナーが団体信用生命保険(団信)に加入することが条件になっています。

アパートローンは、賃料収入やオーナーの収入から返済することになりますが、オーナーに万が一のことがあった場合は、残っているアパートローンを団信によって一括返済することになります。

そのため、オーナーの相続人は、アパートローンの負担のないアパートと土地を相続することができます。

相続人がアパートと土地を売却すれば、まとまった金額を得られますし、アパート経営を引き継いで、賃料収入を獲得し続けることもできます。

その意味で、アパート経営は生命保険の代わりになると言われています。

税金(相続税や固定資産税)の負担を軽減できる

アパート経営に代表される不動産投資は、相続税や固定資産税の節税に有効と言われています。

まず、多額の現金を持っている方に相続が発生した場合は、その現金の額がそのまま相続税の計算対象になってしまいます。例えば、1億円の現金を所有していれば、1億円に対して相続税が計算されます。

一方、その現金で土地を購入した場合は、相続時の評価額は、土地の時価よりも2~3割程度低くなります。

例えば、1億円の現金で1億円の土地を購入した場合ならば、7千万円~8千万円と言った評価額になりますから、1億円の現金を相続する場合より、相続税の負担を抑えられるわけです。

更に、土地を更地のまま所有しているだけでは、土地に対して多額の固定資産税が掛かってしまいますが、アパートを建てることにより、住宅用地の特例による軽減措置を受けられるため、固定資産税を低く抑えることができます。

住戸一戸あたり200平方メートルまでならば課税標準の6分の1に軽減される小規模住宅用地の特例を受けられるので、広い土地にアパートを建てて、アパート一室当たりの土地の面積を200平方メートル以下に抑えれば、土地の固定資産税が大幅に安くなります。

定年後の生活を支える資金になる

現在の現役世代が定年を迎えるころには、少子高齢化がさらに進展し、年金の額が少なくなり、受給時期が遅くなることが予想されています。

そのために、NISAを初めとして、様々な投資が盛んに行われるようになっています。しかし、こうした投資は、単に現金を増やしておくだけのもので、老後の安定収入を確保する手段にはなりません。

その点、アパート経営ならば、土地が資産になりますし、入居者が途切れない限り、継続的で安定した不労所得を得られるので、老後の生活資金の足しにすることができます。

登記費用の相場は、登記の種類や土地・建物の規模によって異なりますが、所有権保存登記と表登記合わせて、数十万円程度が目安となります。アパート建築において、登記には以下の種類があります。

  • 所有権保存登記
  • 表登記
  • 抵当権設定登記
  • その他

アパート経営をする際のデメリット

アパート経営は長期的に安定した不労所得が得られる魅力的な投資方法ですが、様々なデメリットもあります。

空室

アパート経営の収入源は賃料収入なので、アパートの部屋が埋まらなければ、収入を得られません。
空室が生じるとその分、賃料収入は減りますし、空室期間が長引けば、管理コストがかかるだけで、期待した賃料収入を得られないこともあります。

アパート経営を成功させるためには、如何にして空室を減らすか、空室期間を最小限に留められるかがカギになります。

アパートに入居する層は地域により異なります。大学が近くにあれば学生の入居が多いことは当然予想されますし、それ以外の地域でも、近隣の企業や学校などから、需要はおおよそつかめます。

近くに既存のアパートがある場合は、オーナーと接触してどのような層が入居しているのか教えてもらうのがベストでしょう。

このようにして、地域の賃貸需要を掴み、ターゲットのニーズに合わせた部屋を用意することが空室率を下げるポイントになります。

もちろん、オーナーがアパート経営のプロではない場合は、複数の賃貸管理会社に提案してもらって、最もしっくりくる提案を出してくれた会社と契約しましょう。

築年数の経過によるアパートの修繕費用の負担

アパートは、木造や軽量鉄骨などの構造で建てられることが多く、耐久性は、鉄筋コンクリート造のマンションと比べると低いです。

そのため、築年数が経つほどに価値が下落しますし、老朽化が進みやすくなるので大規模修繕も必要になります。

アパートは複数の区分所有者がいるマンションと異なり、いつ、大規模修繕を行うかはオーナー自身で判断することができます。

一方で、大規模修繕にかかる費用は、全額、オーナーが負担しなければなりません。

そのため、毎月の賃料収入の中から、大規模修繕にかかる費用を予想したうえで積み立てておくことが大切です。

大規模修繕を行うと、いくら掛かるのかは、素人には判断が難しいため、プロの建築士や賃貸管理会社に相談して、あらかじめ、費用を見込んでおくべきです。

地震などの自然災害

アパートは、木造や軽量鉄骨などの構造で建てられることが多く、鉄筋コンクリート造のマンションと比べると地震、火災、台風などの災害には弱い構造になります。

アパートを新築する際に、地震、火災、台風などの災害に強い構造で建てるべきなのは言うまでもありませんが、近年の災害は激甚化していますから、自然災害のリスクを全く無くすことはできません。

土地から探す場合は、必ず、ハザードマップでアパートを建てる土地にどのような災害リスクがあるのか確認しましょう。土砂災害や水害の危険がある土地は、できる限り避けます。

その上で、予算の許す限り、災害に強い構造のアパートを建てることが、自然災害のリスクを抑える第一歩です。

また、様々な災害に対応している火災保険と地震保険に加入することも災害リスクへの備えになります。

アパートが実際に自然災害に見舞われた場合は、入居者への対応が必要になります。具体的には、代わりの避難所の用意や金銭的な補償が必要になることもあります。

また、保険だけで被害額のすべてをカバーできるとは限らないので、修繕費用と同様に災害に備えて一定の資金を用意しておくことが大切です。

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アパート経営に必要な費用と資金

アパート経営を始めるには、様々な費用と資金が必要になります。
土地の取得から始める場合は、土地を探して購入するための資金が必要になります。

土地が既にある場合は、アパートを建築するための費用が掛かりますが、多くの方にとって、この費用が最も高額になります。建築費以外にも様々な初期費用が掛かります。

アパートを建てた後も、アパート経営に必要な維持費用が掛かります。

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アパート経営にかかる費用はどのくらい?初期費用や必要な自己資金に関して解説!

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初期費用

アパート経営に必要な初期費用は、土地の取得のための費用とアパートを建築するための費用に分けることができます。

土地の取得からスタートする場合は、賃料収入により黒字化できるまで長い年月が必要です。その間に大規模修繕も必要になるため、あまりお勧めできません。

やはり、アパート経営に適した土地を最初から所有している状態でアパート経営を検討すべきです。

建築費

アパート経営の初期費用で最も高額になるのはアパートの建築費です。
アパートの建築費は、建物本体の「本体工事費」と、外構などの「別途工事費」に分けられます。

本体工事費は、さらに細かく、仮設工事、基礎工事、躯体工事、屋根工事、外壁工事、内装仕上げ工事、電気工事、配管工事などに分けることができますが、こうした細かい工事内容は、オーナー自身が現場監督として手配するのでない限り、気にする必要はありません。

多くの場合、建設会社に坪単価で工事を依頼する形になります。構造別の坪単価の目安は次のとおりです。

  • 木造 56万円~75万円

  • 鉄骨造 83万円~110万円

  • RC造 96万円~125万円

坪単価は、地域により多少異なります。建物のグレードや規模によっても、坪単価が変わります。

また、立地条件も重要で、道路が狭かったり、住宅密集地、傾斜のある土地だったりすると工事用の重機やトラックを入れにくくなるため、手作業が増えて工事費用が高くなることもあります。

別途工事費は、建物本体以外の工事費のことで代表例が外構工事費です。
建設会社のプランでも、本体工事費として示している場合は、建物本体の工事費用のことだけを意味していて、外構工事は別途工事費として示されることがあるので注意しましょう。

目安としては、本体工事費の約20%の別途工事費が掛かると見込む必要があります。

建築費以外の初期費用

土地によっては、アパートの建築に先立って、地盤改良や空き家の解体工事が必要なこともあります。土地の実測図がない場合には、設計図を書く前に土地の測量が必要になります。

  • 地盤改良工事費

  • 解体工事費

  • 測量費用

こうした工事費用が掛かることを押さえておきましょう。
工事関係以外の初期費用としては次のようなものが掛かります。

1.ローン手数料
アパートを建築するに当たっては、アパートローンを組むことが多いですが、金融機関に手数料を支払わなければなりません。

2.火災保険料・地震保険料
アパートが災害に見舞われた際のリスクへの備えとして、火災保険や地震保険に加入するのが一般的ですが、建物の構造や補償の範囲により、保険料が異なります。

なお、火災保険は、入居者の負担で加入してもらうのが一般的です。

3.登記費用
アパートを建築したら建物の登記を行います。建物の登記は、表示の登記と権利の登記があります。

表示の登記は、建物の構造、床面積などアパートの形態を登記するもので、土地家屋調査士に依頼します。

権利の登記は、表示の登記の後で、アパートの権利関係を登記するもので、司法書士に依頼します。

所有権保存登記のほか、アパートローンを借りている場合は金融機関による抵当権設定登記がなされるのが一般的です。

必要な維持費用

アパート経営には、次のような維持費用もかかります。毎月かかる維持費用と随時かかる維持費用に分けられます。

アパート経営で毎月かかる維持費用

1.管理委託費
アパート経営では、賃貸管理は管理会社に委託することが多いです。その場合、管理委託費用が掛かりますが、毎月の家賃収入の5%程度の金額になります。

2.アパートローンの返済
アパートローンを組んでいる場合は、毎月返済額が発生します。

3.火災保険・地震保険料
火災保険や地震保険に加入している場合は、毎月の保険料がかかります。

4.その他の管理費用
アパートの共用部分の光熱費などです。アパートの周辺や共用部分の清掃費用が管理委託費とは別に必要になることもあります。

アパート経営で随時かかる維持費用

1.入居者募集の広告費
空室が生じた場合は、物件情報サイトなどに広告を出して、入居者を募集することがあります。目安としては賃料1カ月分の費用を見込みましょう。

2.仲介手数料
不動産会社の仲介により、入居者が決まった場合は、不動産会社へ賃料の半月分の仲介手数料を支払います。

3.リフォーム費用
室内の経年劣化が目立ってきた場合は、空室となった段階でリフォーム工事が必要です。原状回復は入居者負担ですが、経年劣化のリフォーム工事は、オーナーの負担になります。

4.修繕費
アパートの共用部分や外壁、屋根などが劣化した場合は、その都度、大規模な修繕が必要になります。

また、雨樋の破損などちょっとした損傷が生じている場合も、アパートの劣化を深刻化させないためにも、早めの修理が必要です。

必要な自己資金

アパート経営を始める際に必要になる資金の大半は、アパートの建築費用です。

目安としては、5,000万円からの金額が必要になりますが、これだけの額を現金で用意できる人はほとんどいません。

多くの方は、自己資金の他、アパートローンを利用することになります。

アパートローンを組むためには頭金が必要になりますが、アパートの建築費の10%~20%程度が目安になります。

また、アパートの建築費の他、様々な諸費用がかかり、その額は、建築費の5%ほどが目安です。

そのため、自己資金の目安は、アパートの建築費の15%~25%程度になります。

5,000万円のアパートを建築するなら、750万円から1,250万円の自己資金が必要です。

アパート経営を開始する際の資金シミュレーション

アパートローンを利用し、約5,000万円まで調達できると仮定して、アパート経営を開始する際の資金シミュレーションを行いましょう。

5,000万円で建てられるアパートの坪数は約30坪~50坪が目安です。木造なら坪数を多くできますが、鉄筋コンクリート造なら坪数が少なめになります。

ここでは、約8坪のワンルームが6室の木造アパート(約50坪)を新築すると仮定します。

木造アパート建築費
(本体工事) 75万円×50坪=3,750万円
(別途工事費) 3,750万円×20%=750万円
(合計) 4,500万円
アパートローン関係費 450万円
登記費用 27万円
不動産所得税 23万円
火災保険関係 27万円
総額 5,027万円

このシミュレーションでは、約5,000万円から少々オーバーしているため、27万円ほどは自己資金の投入が必要です。

このように、様々な費用が掛かるため、アパートの建築費だけで5,000万円に達しないように計画することがポイントです。

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アパート経営を行う際に必要な事前準備

アパート経営は思い立ったらすぐに始められるものではなく、事前準備が必要です。何から始めたらよいのか参考にしてください。

何のために、何を達成したいのかを明確にする

アパート経営は不動産投資の一つです。何のためにアパート経営をするのかと問われれば、長期的に安定した賃料収入を得るためと答える方が多いと思いますが、その賃料収入によって、何をしたいのかも考えましょう。

老後の生活資金と言った漠然とした計画だけでなく、貯めた資金で世界一周旅行がしたいなどの夢のある計画を立てるとモチベーションが上がります。

入居者はどのような層にするのか

どのようなアパートを建てるのかを考える前に、ターゲットを明確にすることが重要です。

学生や単身世帯をターゲットにするなら、一人暮らし向けのワンルームを中心としたアパートになりますし、ファミリー層をターゲットにするなら、一区画当たりの間取りを大きく確保し、2LDK、4LDKで設計します。

ターゲットがあいまいでは、中途半端な間取りになり、誰からも選ばれず、空室リスクが増大してしまいます。

その地域のニーズをよく調べた上で、市場性や将来性を考慮してターゲットを絞りますが、オーナーの勘だけで決めるのではなく、専門家に相談して決定しましょう。

収益の詳細スケジュールを組む

アパート経営では、綿密な収益計画を立てることが何よりも大切です。

特に、アパートを建築してからアパート経営に乗り出す場合は、多額の建築費用がかかりますから、収益計画があいまいだと、大赤字になりかねません。

収益計画を立てるに当たっては、次の金額を具体的に算出する必要があります。

  • 用意できる自己資金の額
  • 利息も含めたアパートローンの返済計画
  • アパート経営にかかる初期費用
  • アパート経営にかかる維持費用
  • アパート経営による収入見込み額

これらの金額を算出したら、アパート経営が現実的に可能なのかシミュレーションします。

現実的な賃料と空室率を設定して、年間どのくらいの収益額になるのか、アパートローンは何年で返済できるのか具体的に算出します。

アパート経営のシミュレーションは、オーナーだけでやってしまうと、皮算用になってしまうため、専門家に相談しながら、計画を立てましょう。

必要不可欠な情報の収集

アパート経営のためには、様々な知識が必要になります。
不動産を扱う事業になるため、不動産に関する知識、情報が必要です。

宅建士ほどの知識は必要ないにしても、借地借家法や民法などの最低限の法律知識や不動産取引の基本は押さえたい所です。

また、アパートの維持管理やリフォームなどの建築関係の知識も有していた方がよいです。

建築関係の知識があれば、リフォームや大規模修繕の際に、DIYでできることまでやれますし、工事を依頼するにしても、必要な工事を見極められるので、コストを削減することができます。

そして、税金の知識も必要です。アパートや土地の購入時、保有時、売却時のいずれのタイミングでも、税金が絡んでくるため、それぞれの時点でかかる税金を把握しておかないと、予想外の出費に計画が狂うこともあります。

相続を前提とする場合はしっかりとした話し合いが必要

アパート経営を始めた場合は、本人の代で終わらせるのではなく、子どもに引き継ぐことを想定していることもあります。

子どもがアパートを相続した場合は、アパート経営を続けることの他、アパートの売却、アパートを解体して他の土地活用方法を検討するなど、いくつかの選択肢が生じます。

もちろん、子どもがどう活用するかまでは、決めておくことはできませんが、アパート経営や土地活用に関して理解のある子どもに相続させるようにしたいものです。

アパート経営を引き継ぐ子どもがはっきりしていれば、入居者も安心して住み続けられます。

アパート経営をする際には必須となる税金の種類を解説!

アパート経営では、アパートが建つ土地とアパートの建物に対して、様々な税金がかかります。どのタイミングでどのような税金がかかるのか見ていきましょう。

アパート経営にかかる税金

アパート経営では、建築時、保有時、売却時の3時点で様々な税金が掛かります。

建築時にかかる税金

1.不動産取得税
アパート経営のために土地を取得した時やアパートを建築した時は、「固定資産評価基準により評価した価格×4%(3%)」の税額が不動産を取得した年に一回だけかかります。

固定資産評価基準により評価した価格は、建築費の60%程度が目安とされています。
ただ、軽減措置を利用すれば、不動産取得税がかからないこともあります。

具体的には、一区画の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下であれば、一区画あたり1,200万円が価格から控除されます。

アパートの一室の面積が40平方メートルと言うのは、1LDK、2LDKの広さなので、ワンルームが中心のアパートだと厳しいですが、ファミリー層向けのアパートなら、軽減措置を受けやすいです。

2.固定資産税・都市計画税
アパートを建築した場合は、アパートの建物に対して、固定資産税と都市計画税が掛かります。

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋を所有しているすべての人に対して、都市計画税は、市街化区域内に土地や家屋がある場合に課税されます。

アパートを建築した年は、固定資産税と都市計画税は掛かりませんが、翌年から課税されます。

固定資産税は「固定資産税評価額(課税標準額)× 標準税率(1.4%)
都市計画税は「固定資産税評価額(課税標準額)× 制限税率(0.3%)

それぞれ、計算して算出します。

3.登録免許税
土地を購入したり、アパートを新築したりした場合は、不動産登記を行いますが、その際にかかるのが登録免許税です。

アパートの新築時は、オーナー名義で所有権保存登記を行いますが、「課税標準額×0.4%」の登録免許税がかかります。

また、アパートローンを組んだ場合は、金融機関がアパートの土地や建物に抵当権を設定しますが、この抵当権設定登記に対しても、「借入金×0.4%」の登録免許税がかかります。

4.印紙税
アパートの建築時は、建設会社との間で、建設工事請負契約書を交わしますが、この契約書には印紙を貼り付けなければなりません。印紙税は、次のような額になります。

1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円

参照:国税庁 印紙税額の一覧表

5.消費税
アパートを建築する建設会社に対して支払う請負代金には、10%の消費税が加算されます。

保有時にかかる税金

アパートを保有している間にかかる主な税金は、アパートの土地と建物に対する固定資産税・都市計画税のほか、アパート経営の利益に対する所得税・住民税・個人事業税・消費税があります。

1.固定資産税・都市計画税
アパートを建築した場合は、アパートが建つ土地の固定資産税・都市計画税は、更地の時よりも大幅に軽減されます。小規模住宅用地の特例を受けて、課税標準額が減額されるためです。

具体的には、
住宅一戸につき200平方メートルまでの部分は、固定資産税の課税標準額が「6分の1」、都市計画税の課税標準額が「3分の1」にそれぞれ軽減されます。

アパートの場合は、一戸ごとで計算するため、戸数が多いほど、小規模住宅用地の特例による減免効果を受けやすくなります。

2.所得税・住民税・個人事業税・消費税
アパート経営により、賃料収入を得ている場合は不動産所得として、所得税・住民税・個人事業税・消費税が掛かります。

所得税と住民税は、不動産所得のほか、給与所得などと合わせて税率・税額が決まります。

個人事業税は、本格的なアパート経営を行っており、不動産所得が290万円以上の場合にかかる税金です。個人でも部屋数が10室以上のアパート経営をしていると個人事業税がかかる可能性があります。

消費税は、不動産所得が1,000万円を超えた場合のみ課税されます。ほとんどのアパート経営では、オーナーは免税事業者でいられるため、消費税はかかりません。

また、インボイスへの対応も住宅の家賃収入のみであれば、必要ありません。事務所・店舗等を併設したアパートの場合は、検討が必要なこともあります。

売却時にかかる税金

アパートを売却時に譲渡所得(売却利益)が生じた場合は、譲渡所得に税率をかけて算出した額の譲渡所得税がかかります。

まず、譲渡所得は、アパートを購入した時よりも高く売れた場合に発生しますが、次の計算式により求めます。

譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

譲渡価額とは、アパートの売却価格のことです。

取得費は、土地やアパートの購入価格のことです。アパートを建築した場合は建築費を意味します。アパートを相続により取得した場合のように取得費が分からない場合は、売却代金×5%で計算した額を取得費とします。

譲渡費用は、アパートを売却した際に売主が負担した費用のことです。

特別控除としては、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」がよく知られていますが、アパートの場合は、所有者が自分で住んでいるわけではないため、この特例は適用されません。

上記で計算した結果、譲渡所得が生じていた場合は、次のいずれかの税率をかけます。

短期譲渡所得(譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合)
所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=39.63%

長期譲渡所得(譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年超の場合)
所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=20.315%

確定申告が必須

アパート経営により、賃料収入を得ている場合は、不動産所得が発生しているため、確定申告が必要になります。

不動産所得の算出方法

不動産所得は賃料収入から必要経費を差し引いて算出します。

アパート経営により得た賃料収入のうち、収入として計上するのは、返還が必要ない収入で、具体的には、家賃の他、礼金、更新料、管理費、駐車場料金、権利金、保証金などです。

敷金のようにいずれ借主への返還が必要な金銭は収入に含まれません。

必要経費は、アパート経営にかかる様々な費用のことです。
管理委託費、火災保険・地震保険料、アパートローンの利子、固定資産税・都市計画税、広告宣伝費、修繕費、共用部分の水道光熱費、各種手数料、減価償却費などです。

この中で特に大きいのが「減価償却費」です。
アパートの建物は資産ですが年月と共に価値が下落します。そこでアパートの建物取得にかかった費用を法定耐用年数の全期間に渡って分割して必要経費として償却する仕組みが減価償却費です。

減価償却費は、「取得価格×償却率」で計算します。償却率は次の通り、建物の構造により異なります。

鉄筋コンクリート造 耐用年数47年(償却率0.022)
鉄骨造 耐用年数34年(償却率0.030)
木造 耐用年数22年(償却率0.046)

例えば、新築木造アパートの取得価格が5,000万円であれば、 5,000万円×0.046=230万円
この額を22年間に渡って、減価償却費として計上できます。

鉄筋コンクリート造の場合ならば
5,000万円×0.022=110万円
木造よりも、減価償却費として計上できる額が少ないですが、47年間に渡って計上することができます。

減価償却費により、不動産所得を大幅に押えることができ、節税効果が大きくなるので、しっかり押さえたいポイントです。

青色申告で賢く節税

アパート経営の結果、不動産所得など給与所得以外の所得が20万円以上となった場合は、確定申告が必要になります。

また、不動産所得がマイナスになる場合でも、給与所得と合算して損益通算することによって、還付を受けられるため、確定申告すべきです。

確定申告の方法としては、白色申告と青色申告があります。
白色申告は簡易的な記帳方法で確定申告ができる制度。青色申告は複式簿記による方法で申告が必要になるものの最大65万円が必要経費に計上できるといったメリットがあります。

青色申告のメリットは次のとおりです。

特別控除 最大65万円が必要経費に計上できる。
専従者給与 全額を必要経費に計上できる。
損失の繰り返し 損失を3年間繰り返しできる。

まとめ

アパート経営は、アパート1棟を運用することがほとんどのため、マンション1室の不動産投資よりも空室リスクが低く長期的に安定した収益を得やすいです。

アパートの修繕費用や災害対策などのリスクもありますが、対策を講じることでリスクは押さえられます。

アパート経営に先立って、しっかりした資金計画を立て、入居者のターゲットを明確にし、ニーズに合わせたアパートを建てれば、アパート経営の失敗を防げます。

この記事で紹介したことは、入門知識に過ぎませんので、これを機に、アパート経営に関する知識をさらに深めてください。

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