相続したマンションの管理費・修繕積立金が負担な方へ、滞納前後の売却方法
- 更新日:2026.10.07
親からマンションを相続したものの、自分で住む予定はない。それでも毎月、管理費や修繕積立金の請求は届きます。「使っていない部屋なのに、いつまで払い続けるのだろう」「滞納する前に手放したい」と感じる方もいるでしょう。
空室のマンションでも、所有している間は管理費・修繕積立金の負担が続くのが一般的です。すでに滞納がある場合も売却できる可能性はありますが、未納額や遅延損害金を確認し、誰がどのタイミングで精算するのかを決めなければなりません。
まず確認したいのは、今後もかかる費用と、現在の状態で売った場合の価格です。この記事では、管理費等の負担を整理する方法、滞納前後の売却の進め方、仲介と買取を比べるポイントを、順番に紹介します。
相続したマンションを売るか貸すか、まだ方針そのものを決めていない方は、相続したマンションを売るか貸すかの判断方法もあわせてご覧ください。
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相続したマンションは空室でも管理費・修繕積立金がかかる
住んでいなくても、区分所有者としての負担は続く
管理費は、共用部分の清掃や設備の保守、管理組合の運営などに使われる費用です。修繕積立金は、外壁や屋上、給排水設備など、マンション全体の計画的な修繕に備えて積み立てられます。どちらも部屋を実際に使っているかではなく、区分所有者であることを前提に負担するものです。
国土交通省の「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」でも、区分所有者が管理費と修繕積立金を納入する考え方が示されています。ただし、実際の金額や支払期日、遅延損害金などはマンションごとの管理規約で異なります。
相続後の請求先と未納の有無を早めに確認する
相続が発生しても、管理費等の請求が自動的に止まるわけではありません。亡くなった方の口座が凍結され、引き落としができないまま未納になっていることもあります。管理会社または管理組合へ相続があったことを伝え、現在の請求額、支払状況、名義変更に必要な書類を確認しましょう。
相続人が複数いる場合、誰が当面の支払いをするかを家族内で決める必要があります。支払った人がそのまま単独の所有者になるわけではないため、管理費の支払いと、遺産分割や売却代金の分け方は分けて記録することが大切です。判断に迷う場合は、司法書士や弁護士などへ確認してください。
管理費以外にも、相続マンションの維持費はかかる
毎月の管理費と修繕積立金だけを見ていると、年間でどのくらい負担しているかをつかみにくいものです。まずは、月ごとの費用と年ごとの費用を一度並べてみましょう。
将来の支出を見るときは、現在の月額だけでなく、総会資料や長期修繕計画に記載された値上げ・一時金の予定も確認します。まとまった負担が予定されている場合は、売却条件や買主への説明にも関わるため、査定時に資料を共有しましょう。
滞納前に売却を考えるメリット
売却までの期間が延びるほど、維持費の総額も増える
マンションの売却では、査定を受けたその日に所有者が変わるわけではありません。仲介で買主を探す場合は、販売準備や内覧、契約、引き渡しまで数か月以上かかることもあります。その間も、管理費や修繕積立金、税金などの負担は続きます。
例えば、毎月の管理費等が3万円なら、売却まで半年かかると単純計算で18万円です。これは相場を示す例ではありませんが、「毎月いくら」だけでなく「売れるまでに合計いくらかかるか」を考えると、売却時期を判断しやすくなります。
滞納する前なら、売却条件を比較する余地を持ちやすい
滞納が始まると、通常の維持費に加えて、管理規約に基づく遅延損害金や督促にかかった費用が加わる場合があります。管理組合からの請求や法的手続きが進めば、売却条件を考える時間も限られやすくなります。
「次の支払いが難しいかもしれない」と感じた段階で、管理組合への確認と売却査定を並行して進めましょう。売ると決めていなくても、現在の価格と売却までの見込み期間が分かれば、保有を続けた場合の費用と比べられます。
今後の支払いが重くなる前に、まずは現在の査定価格と売却方法を確認してみましょう。管理費等を払い続ける期間も含めて提案を比べると、手元に残る金額を考えやすくなります。
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管理費・修繕積立金を滞納したマンションでも売却できる?
滞納があるだけで、売却できないとは限らない
管理費や修繕積立金を滞納していても、未納額と精算方法を明らかにし、買主との条件がまとまれば売却できる可能性があります。ただし、滞納を伝えずにそのまま売ることは避けなければなりません。まず管理会社や管理組合に、元金、遅延損害金、督促費用などを含む時点別の金額を確認しましょう。
区分所有法では、管理組合が持つ一定の債権を、売買などで住戸を取得した特定承継人にも請求できるとされています。そのため買主側は、滞納の有無と金額を重要な条件として確認します。
売却代金から精算できる場合もあるが、自動的に精算されるわけではない
売却代金で滞納分を支払える見込みがあれば、決済時に精算する条件を組める場合があります。ただし、売却代金から必ず後払いできるわけではありません。管理組合が求める支払時期、買主の意向、住宅ローンや抵当権の状況などによって、先に支払いが必要になることもあります。
「売れたら払う」と自己判断せず、査定の段階で滞納があることを伝え、決済までの精算方法を書面で確認しましょう。売却価格が未納額やローン残高、諸費用を下回る場合は、別に資金を用意できるかも含めて検討する必要があります。
督促を放置せず、管理組合へ状況を伝える
国土交通省の標準管理規約では、未納がある組合員に対し、管理組合が督促などの必要な措置を講じる考え方が示されています。請求書や督促状をそのままにせず、売却を検討している場合も、いつまでに何を確認するのかを管理組合へ伝えましょう。
管理会社が日常の窓口になっていても、管理費等の債権を持つ主体は管理組合であることが一般的です。精算条件や証明書の発行について、誰に確認すべきかも最初に確かめてください。
相続マンションを売却する前に管理組合・管理会社へ確認したいこと
査定額だけを比べる前に、マンション側の情報を整理しておくと、売却後の手取りや買主へ伝える内容が見えやすくなります。次の項目を、分かる範囲で確認しましょう。
- 管理費・修繕積立金の月額と支払日
- 未納の有無、未納期間、元金・遅延損害金・督促費用の内訳
- 管理費等の値上げや修繕一時金の予定
- 長期修繕計画、総会議事録、修繕履歴の保管状況
- 駐車場・駐輪場などの契約と解約手続き
- 売却に伴う区分所有者変更届や必要書類
- 管理規約、使用細則、ペット・リフォーム等の制限
仲介で売却する場合、不動産会社が「重要事項に係る調査報告書」などを通じて管理状況を確認するのが一般的です。ただし、発行に日数や費用がかかる場合もあります。相続直後で手元に資料がないときは、何を取得できるかから確認しましょう。
管理費負担を減らすために仲介と買取をどう比べる?
管理費等の負担が続いていると、早く売れる方法を選びたくなります。ただし、早さだけで決めると手取りに納得できないこともあります。仲介と買取は、査定額だけでなく、売却までの期間と、その間に発生する費用を含めて比べましょう。
売却を急ぐ事情がなければ仲介で反応を見る方法もあります。一方、問い合わせが入らず、管理費等だけが積み上がっているなら、価格の見直しや仲介会社の変更、買取も含めて査定を取り直すタイミングです。
すでに売り出しているのに買い手がつかない場合は、相続したマンションが売れない理由と見直し方も参考にしてください。管理状態や修繕計画など、マンション特有の確認項目を紹介しています。
管理費等の負担を止める時期と、売却後の手取りを一緒に考えることが大切です。仲介を続ける場合と買取へ切り替える場合の条件を、同じ資料で比べてみましょう。
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相続マンションの管理費負担を整理して売却する流れ
1.名義と相続登記の状況を確認する
土地・建物の登記事項証明書などで、現在の所有名義を確認します。相続登記が終わっていなくても査定相談を始められる場合はありますが、買主へ所有権を移すまでには、原則として相続登記が必要です。相続人が複数いる場合は、誰がマンションを取得し、売却するのかも整理します。
2.管理費等の支払状況と今後の予定を確認する
管理会社または管理組合へ連絡し、管理費・修繕積立金の月額、未納額、遅延損害金、値上げや一時金の予定を確認します。口頭だけでなく、残高が分かる書面を用意できるかも聞いておきましょう。
3.現在の状態で査定を依頼する
室内に家財が残っていても、まずはその状態を伝えて査定を相談します。査定を受ける前に、リフォームや家財撤去を必ず行う必要はありません。管理費等の未納がある場合は、その事実と確認できている金額も伝えます。
4.売却価格から差し引かれる費用を並べる
査定額だけでなく、仲介手数料、登記費用、管理費等の精算、住宅ローン残高、家財整理費などを並べます。複数社へ相談するときは、同じ条件で「最終的にいくら残りそうか」を比べましょう。
5.精算方法を決めて契約・引き渡しへ進む
滞納がある場合は、誰がいつ支払い、完納の確認をどのように行うのかを契約前に整理します。引き渡し後の管理費を止めるため、区分所有者変更届など、管理組合へ提出する書類も忘れずに確認してください。
相続マンションの管理費・修繕積立金でよくある質
Q. 空室で一度も使っていなくても、管理費を払う必要がありますか?
A. はい。管理費や修繕積立金は、部屋の利用回数ではなく、区分所有者としてマンションの共用部分を維持・管理するために負担するのが一般的です。具体的な金額や支払い方法は、マンションの管理規約を確認してください
Q. 管理費を滞納していても査定を依頼できますか?
A. はい。滞納があっても査定相談はできます。隠さずに滞納期間と現在分かっている金額を伝えましょう。実際に売却できるか、いつ精算するかは、未納額、売却価格、ローン残高、買主や管理組合との調整によって変わります
Q. 滞納した管理費は、売却代金から支払えますか?
A. 決済時に売却代金から精算できる場合があります。ただし、自動的に後払いできる制度ではありません。管理組合の請求内容と支払時期を確認し、売買を担当する会社と精算方法を契約前に決めてください。
Q. 相続人が複数いる場合、管理費は誰が払いますか?
A. まずは管理組合への支払いを止めない方法を家族で決め、その記録を残しましょう。相続人間の最終的な負担や精算は、遺産分割の内容などによって異なります。管理費を払った人が自動的にマンションを取得するわけではないため、必要に応じて司法書士や弁護士へ確認してください。
Q. 修繕積立金の値上げや一時金が決まっていると、売却に影響しますか?
A. 買主が将来の負担を判断する材料になるため、売却条件に影響する可能性があります。総会議事録や長期修繕計画を確認し、値上げや一時金の予定を査定先へ伝えましょう。専有部分だけをきれいにしても、マンション全体の計画や負担がなくなるわけではありません。
Q. 管理費が負担なら、すぐ買取を選ぶべきですか?
A. 必ずしも買取だけがよいとは限りません。仲介のほうが高い価格で売れる可能性がある一方、売却までの期間は読みにくく、その間も管理費等がかかります。仲介と買取の査定額、想定期間、費用を並べて、自分が優先したい条件で選びましょう。
まとめ|滞納する前に、今後の負担と売却後の手取りを比べよう
相続したマンションに住んでいなくても、所有している間は管理費・修繕積立金などの負担が続きます。すでに滞納がある場合も売却できる可能性はありますが、未納額を確認し、買主へ引き渡すまでの精算方法を決める必要があります。
まずは管理組合へ支払状況を確認し、年間の維持費と今後の値上げ予定を整理しましょう。そのうえで、仲介を続けた場合の手取りと期間、買取を選んだ場合の条件を同じ基準で比べると、急いで値下げする前に判断材料をそろえられます。
タウンライフ空き家解決では、売却査定や活用シミュレーションなど、空き家の解決プランを比較できます。相続したマンションについて相談するときは、管理費・修繕積立金の月額、滞納の有無、家財やローンの状況を分かる範囲で伝えてください。
管理費等の負担が積み上がる前に、現在の売却可能価格と、売却後に残る金額を確認するところから始めてみましょう。
空き家のお悩みは
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